先生はAI?新たな学習スタイルとは
こんにちは。TabiOです。
最近聞かない日はないというほど話題に上がるAIですが、本日の記事では教育分野のAIについて紹介したいと思います。
教育分野にテクノロジーを活用することを総称してEdTech(エドテック)といい、Education(教育)×Technology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。
そんなEdTechについて事例を含めて紹介します。
変化が進む教育分野
タブレットなどのデジタル製品を使う子供たちも増えており、世界中でプログラミングが標準カリキュラムに取り入れられ始めたり、ITを活用した教育環境の急速な変化が起こっています。他国の事例はこちらの記事参照。
日本でも2014年に「世界最先端 IT 国家創造宣言」が発表され、以下のように記載されています。
国民全体の情報の利活用力向上を実現するには、発達段階に応じた情報教育、及び学
習環境の充実(ソフト・ハードを含む)が必要となる。
段階に応じた適切な学習はもちろんのこと、ITを活用した学習環境も充実させていく必要性が出てきています。
先生とAIを組み合わせた新たな学習スタイルとは
現在の学習の基本となっているのは、文科省が作成している学習指導要領です。
その学習指導要領を実践しようとするとスケジュールがある程度決まるので、もっと学びたい人も、ついていけなくなっている人も同じスケジュールで進んでいる学校が多いのが現状です。
そこで、新たな学習スタイルとして注目を浴びているのがAIを活用したアダプティブラーニングです。アダプティブラーニングとは、個々の人(生徒)にあわせて学習内容を提供する学習方法のことです。
アダプティブラーニングの仕組み自体は全く新しい概念というわけではなく、今までも学校の先生と生徒間で個別に行なっていました。
放課後や休み時間に職員室に質問に行くことをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
ではなぜ既存の仕組みが新たな学習スタイルとして注目されているのか。
それは、ITの発達により生徒の学習状況をデータとして収集することができるようになったためです。
※サービスの事例については後程紹介します。
データを収集することで、生徒の得意・不得意の傾向も分析できるようになり、AIが適切な問題を提案することで生徒の学習効率も上がります。
先生が個別に対応していた部分を、AIがサポートすることで先生の時間を作ることにも貢献できる可能性があります。
私自身がそうでしたが、得意な教科はどんどん進めたい。苦手な教科は一度遅れると追いつくのには結構大変で、塾に通ったり、先生に聞かないとなかなか前進しません。それでも追いつけなければもう諦めるというような流れで文系・理系を決めつけていました。
AIを活用したアダプティブラーニングがうまく機能すれば、基本的なことは今まで通り先生が行い、適切な学習を促すツールとしてAIを導入することで、より短時間で効果的な教育を行うことができるようになると思います。
その可能性を秘めているサービスと今後導入予定のサービスを3つ程紹介します。
学習支援サービスの事例
(1)学習支援クラウドサービス「Classi(クラッシー)」
ベネッセホールディングスとソフトバンクとの合弁会社であるClassi株式会社が開発している、Classiというサービスです。
Classiは、学校の授業や生徒指導、生徒の学習において、先生・生徒・保護者がつながる学習支援クラウドサービスです。1000以上の単元と6段階の難易度から最適な学習をレコメンドする「アダプティブラーニング学習動画」や、生徒個々の学力に応じた学習コンテンツとして2万5000本の「動画教材」、大手出版社5万問の「問題集」などを、各パートナー企業と提供しています。2018年4月に導入予定となっています。
(2)適応学習テクノロジー「Knewton(ニュートン)」
ニュートンジャパン株式会社が開発している、Knewtonというサービスです。
一人ひとりの学習者に次に取り組む最適の課題が提示されます。Knewtonは学習者の知識、つまずいている箇所、習得できている箇所の情報とともに、学習者もしくは指導者が設定した学習目標に基づいて、リアルタイムでレコメンデーションを提示します。
米国アリゾナ州立大学ではKnewtonのテクノロジーを活用した大学準備過程の数学コースで、コース修了率17%上昇、途中脱落率は56%も減少したほか、45%の学生が予定より4週間も早くコースを修了する実績があります。
(3)人工知能型タブレット教材「Qubena(キュビナ)」
株式会社COMPASSが開発しているタブレット教材Qubenaというサービスです。
Qubenaは、各生徒がタブレットに入力するあらゆる情報(解答、解答プロセス、スピード、集中度、理解度など)を収集、蓄積、解析して個人に適応させる人工知能型教材タブレット教材です。「生徒が理解していない概念は何か?」や「何が得意で何が不得意なのか?」を解析し、生徒それぞれに合った最適な問題を出すシステムで、これまでにない効率的な学習を支援する製品となっています。
Qubenaを活用しマンツーマン指導を低コストで行う「Qubena Academy」を開校しており、そこに通う生徒は、中学3年間の数学の学習範囲を、平均でわずか9ヶ月で修了する実績があります。
紹介した事例のように先生に取って代わるというよりは、先生のサポート役として、学習の効率をあげていくというのが現在のAIの役割のようです。
学校の教育を例にあげて今回は紹介しましたが、AIを活用したアダプティブラーニングは資格や趣味の学習等様々な分野に応用できる可能性があります。
まとめ
AIを活用したアダプティブラーニングは学習の効率を上げ、空いた時間を使って本人が学びたい教科やスポーツ、習い事等に割く時間ができれば、様々な分野で活躍する人材が増えていく可能性を秘めています。
教育のかたちが少しずつ変わりつつあります。
小中高大学という教育の仕組み自体も変わるかもしれません。
これから育つ子供や資格を取りたい、学習したいという大人の可能性を広げることもAIの役割なのかもしれません。
以上、TabiOでした。