スタートアップ大国イスラエル

こんにちは。TabiOです。

今回も海外のスタートアップ事情について紹介します。
技術立国やスタートアップ国家と呼ばれている国がイスラエルです。

イスラエルの基本的な情報について紹介します。
イスラエルは中東に位置し、人口868万人(2017年5月現在)、面積20,770平方キロメートルの国です。
人口は大阪と同じ規模、面積は四国より少し大きい国です。
しかし、米国NASDAQへの上場数はアメリカに次ぐ2位で日本や欧州諸国よりも1桁多いという実績を作り出しています。人口がアメリカや日本より少ないにも関わらず、イスラエルでは年間800〜1,000社以上のスタートアップが設立されるためスタートアップ国家と言われるようになりました。

そんなスタートアップ国家と呼ばれる所以はなんでしょうか。
大きく5つの要因にまとめてみました。


(1)兵役によるネットワークの広さ

イスラエルは1948年に建国し、何度も戦争している関係上、軍事のための技術に集中しています。
イスラエルには18歳から兵役(2〜3年間)があり、軍事の最新技術に触れ、高度な技術を徹底的に習得することができます。
兵役を終えると、大学に進学したり企業に就職する人が多く、軍事で学んだ技術を民間でも活かすことで、最新技術が民間に伝わっていくという流れができています。
また、兵役中にできたネットワークは広く、社会に出てからも活かされているので、スタートアップが生まれやすい要因になっています。

(2)教育水準が高い

イスラエルも日本と同じ小学校6年、中学校3年、高校3年という教育を行っていて、幼稚園から中学校までが義務教育となっています。
教育課程は同じだが、イスラエルの教育はITや理系に特化しています。
幼稚園から、物理学やプログラミング言語を教える幼稚園があり、10歳以下の幼少期を対象にしたハイレベルな教育制度が整っています。
また、小学校からはプログラミング教育が必須科目であり、中学校からはソフトウェア開発・サイバーセキュリティに関する教育が始まり、高校からはビジネスサイドに行くのか、プログラムサイドに行くのかの選択ができるようになます。
その後は、先述の兵役となり最新技術を学び、大学に進学するという流れができており、社会に出る頃には、立派なITエンジニアやビジネスマンが誕生しています。

(3)資金の動きが活発

イスラエルでは、スタートアップに毎年5000億円程の投資が国内外から集まります。
投資が集まるだけでなく、100社程度の企業は、すでに拠点を持っているグローバル企業に買収されます。
その金額はここ数年で、1兆円を超える金額となっています。(2015、2016、2017年の株式会社イスラテック調べ)。
資金が集まる理由の一つにアクセラレータの存在があります。アクセラレータとは、ベンチャーの成長を加速させる仕掛けを提供する組織の総称です。選考を行い、有望なアーリーステージの起業チームやベンチャー企業に対して、数ヶ月の特訓プログラムを提供し、ビジネスモデルを確立するための支援を行い、次の資金調達につなげるためのピッチイベントやでもイベントを開催しています。

(4)コアな技術の提供実績

実はFacebookやGoogle等のグローバルIT企業のAI技術を用いているサービスにはイスラエル発のスタートアップが関わっていることが多い。
例えば、GoogleMapの渋滞表示のアルゴリズムやFacebookの写真の自動タグ付け機能は、イスラエル発のスタートアップによって開発されています。
今では当たり前になった、外部からの不正侵入を防ぐファイアウォールの技術を一般的に実用化したのもイスラエル発の企業です。
新たな技術が多数生まれている実績があるからこそ、Apple、Amazon、Intel、Facebook、Google、Samsung、トヨタ等のグローバル企業の研究・開発拠点が300箇所以上も存在している。
世界のテクノロジーが集まるからこそ、資金、情報、人材が集まりさらなる発展を遂げて行くという好循環が生まれている。

(5)イスラエルの失敗を恐れない文化

日本と大きく異なる部分は失敗に対する捉え方だと言われています。
イスラエルは失敗すると「よくやった。次の糧になる」と言われ賞賛される文化があるそうです。
そういう文化が生まれた背景として、いつ戦争が起こるかわかならない状態にいるため、長期にプランを練り、ゆっくり改善して行くという時間はないので、すぐに実行し、失敗を恐れずどんどん次に進み発展させて行くという思いがあると言われています。
上記に記載したことはほんの一部ではありますが、イスラエルのすごさが伝わりましたでしょうか。
国としての背景はなかなか真似することは難しいですが、教育面や、資金の流れ、失敗を恐れない文化を日本にも定着させることができれば、これから日本発の世界で活躍するスタートアップが多数誕生するのではないでしょうか。
未来技術推進協会でも最新技術を社会に役立てるための環境を提供し、世の中に貢献していきたいと思います。

参考