【特集】FinTech・AI・VR!今後の方向性と課題は?
こんにちは、一護です。
これまで協会では100を超える記事を掲載してきましたが、今回は過去の記事を振り返り、FinTech、AI、VRについて、それぞれの技術分野で今後どのような発展が見込まれているのかを見て行きたいと思います。
まずはFinTechから見て行きましょう。
今更ながらFinTechについて調べてみた
https://future-tech-association.org/2018/03/24/fintech/
経済産業省が公開している(FinTechビジョン)では、FinTechの普及によって「あらゆる経済活動の裏にある”お⾦”のかたちが変わり、その流れが変わり、信⽤やリスクの捉え⽅が変わり、それらを⽀える担い⼿が変わる」と表現されています。
FinTechビジョンの中では、「FinTech社会の実現に向けた道筋①実現すべき社会像(図1)」が示されており、政策⽬標や⽅向性を検証するためのベースラインとして活⽤されるべきものであるとしています。
なお、「FinTech社会の実現に向けた道筋②具体的施策(図2)」については、⼤きく4つの政策軸に分けて⽰されています。
包括的に様々な検討がなされていますが、⽬指すべきFinTech社会を実現するための課題と政策対応のひとつとして、FinTech⼈材の確保が挙げられています。
日本は、欧米に比べて、終⾝雇⽤を念頭に置いた相対的に流動性の低い⼈材市場であり、⾦融とテクノロジーの融合によるイノベーションが起きる機会が少ないのではないかとの指摘から、以下のような検討もなされているようです。
- ⼈材の流動性を⾼める(転職・再就職、兼業副業等を促進する)こと
- 事業会社としても多様な⼈材を許容する⽂化を醸成すること
- 教育課程で⾦融とテクノロジーのスキルを兼ね備える⾼度な⼈材を育成すること
FinTechの発展には、日本の文化的な側面が影響しているようですね。
次はAIについて見ていきましょう。
AIの将来
https://future-tech-association.org/2018/01/11/ai_future/
平成28年4月に開催された「未来投資に向けた官民対話」での総理指示を受て、平成28年4月に「人工知能技術戦略会議」が創設されました。
同会議のこれまでの取り組みは、(こちら)をご参照ください。
人工知能技術戦略会議は、全体のとりまとめを行う内閣府と、AI開発関係省庁として総務省、文部科学省、経済産業省の3省、AIを利用する側の関係省庁として農林水産省、厚生労働省、国土交通省の3省で構成されます。
同会議で策定された「人工知能とその他関連技術の融合による産業化のロードマップ(産業化ロードマップ)」では、当面取り上げるべき重点分野を、「生産性」、「健康、医療・介護」、「空間の移動」の3分野とし、横断的な分野として「情報セキュリティ」を取り上げています。
産業化ロードマップでは、AI技術はあくまでサービスであり、各種データと組み合わさることで初めて各領域に 利活用が広がっていくもの「AI as a service(AIaaS)」とし、3段階のフェーズに分けて産業化の進展を整理しています。(図3)
フェーズ1:各領域において、データ駆動型のAI利活用が進む
フェーズ2:個別の領域の枠を越えて、AI、データの一般利活用が進む
フェーズ3:各領域が複合的につながり合い、エコシステムが構築される
重点3分野における、人工知能とその他関連技術が融合した産業化のイメージが図4に示されていますが、AI技術はこれ以外にも様々な分野に展開されることが考えられるため、想定外の検討項目が出てくる可能性は大きいとしています。
なお、産業化ロードマップの実現に向けては、AI人材の不足が課題のひとつとして挙げられており、特にフェーズ1においては、トップレベルのAI人材を育成することが急務であるとしています。
トップレベルのAI人材とは、「AIに関する様々な知識・汎用的能力を有し、コンピュータサイエンスの知識・プログラミング技術を駆使でき、具体的な社会課題に適用できること」とされているところからも、AI人材のニーズが高まっていることが分かりますね。
同会議では、AI人材不足を抜本的に解消するためには、大学におけるAI/IT人材の育成規模の拡大や、社会人のAIスキルの再教育、企業や研究機関におけるAI/IT人材の適切な処遇やキャリアパスの明確化が必要ではないか、などの議論もなされているようです。
FinTechと同様、AIの発展においても、やはり人材の確保が急務のようですね。
それでは、最後にVRについて見ていきます。
VR技術_ビジネスへの活用
https://future-tech-association.org/2018/04/27/business_vr/
(富士通総研の見解)では、VR/ARはパソコン、モバイルに続く「第3のプラットフォーム」として、社会を変えていくことが期待される技術・サービスであるとしています。
各社からVRの市場規模予測に関するレポートが発表されていますが、ゴールドマンサックス社のレポートでは、2025年にVR/AR市場が950億ドル(約11兆円)規模になると推計されています。
FinTechやAIに比べると比較的最近注目が高まってきているVRですが、2016年はVR元年と呼ばれ、量販店の店頭などでVRゴーグルが目立ったり、「PlayStation VR」のようにVR関連のゲーム機器やコンテンツが活況を呈しています。
VR/AR市場は、Google、Apple、Facebook、Microsoft、等々、IT企業最大手も軒並み参入し、みんなが次の時代の主導権を狙っている未開拓の市場です。各社がどのようなビジョンを描いているのかを含めて、今後の動きから目が離せません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回、過去の記事よりFinTech、AI、VR/ARをピックアップしましたが、これに限らず、各種の最先端技術(中でも、指数関数的に成長すると見込まれているエクスポネンシャルテクノロジー)が今後どのような発展を遂げるのかを知ることは、これからの時代を生き抜く上でとても重要なことだと感じました。
量子コンピュータやサービスロボットなど、その他のエクスポネンシャルテクノロジーについては、また別の機会に触れたいと思います。
今回とりあげた技術に共通する課題として、人材不足がありましたが、協会ではブロックチェーン講座やデータサイエンス講座などを行うことで人材育成に貢献しています。
講座以外にも、著名な研究者を招いた講演会や、SDDsをテーマとしたアイデアソン/ハッカソンなど、各種イベントを開催していますので、興味のあるイベントがあれば是非ご参加ください。
最新のイベント情報は以下より参照いただけます。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上、一護でした。