未来技術で文化を守る!〜岩手県の事例〜
みなさん、こんにちは。鈴木彩です。
近年、日本の伝統文化に最新技術が導入されつつあります。
日本には全国各地に独自の文化があり、海外の多くの旅行者からも高く評価されています。
しかしその一方で、後継者がおらず10年も経たないうちに途絶えてしまう恐れのある伝統文化も多くあります。
岩手県では、そのような問題を最新の技術で解決する取り組みを進めているところがあります。その事例を紹介します。
南部鉄器をロボットで作る
岩手県の乃源鋳造株式会社では、伝統工芸である南部鉄器鉄急須の製造にロボットを導入しています。
導入したのは「琺瑯引き(ほうろうびき)」という錆止めのために急須の内部に塗る釉(うわぐすり)を焼き付ける工程で、これまで職人が重い鉄器を手で持ちながら琺瑯引きをしていたところから、作業負荷が減りました。
鉄器の扱いの丁寧さや、焼き付ける琺瑯濃度の管理には経験を要するところでしたが、ロボットが効率よく作業を進めることで生産性も向上しています。
全ての工程にロボットを導入するのではなく、誰でも出来るところをロボットに担当してもらう事で、人の手による繊細なところを職人が集中して取り掛かることができるようになりました。
また、若手の職人も経験がものを言うキモの部分に集中することができるようになり、技術を継承しやすくなりました。
AIで日本酒を造る
日本酒も伝統文化の一つと言えるでしょう。職人が丹精込めた日本酒はとても美味しいですよね。
岩手県二戸市(にのへし)の酒蔵「南部美人」では日本酒造りにAIを利用するという日本初の実験が行われています。
日本酒造りの工程の一つである「吸水」にAIは利用されています。この吸水は米を蒸す前に行う重要なもので、職人の目で見てタイミングの判断されており、このタイミングによりこうじ菌の繁殖度や酒米の溶けやすさが変化します。
AIにはこの吸水工程を映像化し、職人が最適と判断しているタイミングをデータ化して学習させます。このデータをもとにAIで吸水の最適なタイミングを判断させ、再現性があり高品質な酒造りができるように実験を進めています。
この実験がうまくいけば、若い世代にもスムーズに技術の継承を行うことができ、また、熟練の技術者の支援も行うことができるようになるでしょう。
このように日本が誇る伝統文化が後継者がおらず途絶えてしまうという現代の課題に対して、ロボットやAIなどの最新技術を取り入れることが解決の糸口になる可能性があります。
よく、ロボットやAIに人の仕事が奪われるという話を聞きますが、このようにうまく役割分担している事例も多くあります。
人とロボットやAIがどうやったら共存していけるのかを考えていくほうが良いかもしれませんね。
未来技術推進協会は社会課題を解決するというビジョンのもと、著名な方を招いてのアイデアソンや講演会等様々なイベントを通して技術発展に貢献していきます。
【6月のイベント】
Social x Webミニハッカソン Vol.1
日時: 2018/6/9(土)15:30 〜 21:00
詳細はこちら:https://techplay.jp/event/673804
EdTech Ideathon
日時: 2018/6/13(日)19:00 〜 22:00
詳細はこちら:https://techplay.jp/event/674462
デジタルアニーラ講演会
日時: 2018/6/19(火)19:00 〜 22:00
詳細はこちら:https://techplay.jp/event/675561
SDGs Meetup Vol.9
日時:2018/6/21(木) 19:00 〜 21:00
詳細はこちら:https://techplay.jp/event/674646