次の時代を創る『5G』の技術

こんにちは。山本睦月です。
皆さんは目に見えないものを信じられますか?
絆、運命の赤い糸、幽霊、空気、ミジンコ、自分の将来…
目に見えてくれれば信じやすいのですが、見えないからこそ信じたくなるのかもしれません。

さて、私たちが暮らす社会でも目に見えないものが飛び交っています。
例えば携帯電話の電波もそうでしょう。
今回はそんな、見えなくとも確実に我々の暮らしを支える技術をご紹介します。


移動体通信の歴史

移動体通信とは、送受信のどちらかもしくは両方が移動可能な通信方式のことで、携帯電話やモバイルwi-fiなどを指します。
また、通信方式の世代は”1G”や”2G”などと表現します(”G”はGenerationのG)

携帯電話の始まり”1G世代”

日本で移動可能な通信機器が出始めたのは1985年で、NTTより発売されたポータブル電話機『ショルダーフォン』がスタートだと言われています。

この頃の通信方式は”1G”と呼ばれまだ通話機能のみ、今のようなデータ通信は出来ませんでした。
端末もかなり大きく縦19cm、横22cm、奥行き5.5cm、重さはなんと3kg!まだ持ち運びには適さないものだったようです。
しかも端末が『無線機』に該当し、利用するためには無線免許状というものが必要でした。

データ通信がスタートした”2G世代”

それから数年後の1993年、”2G”の世代がスタートしました。
前世代と大きく違うのはデータ通信のサービスが開始されたことです。
これによりモバイル専用サイトが開設され、インターネットを通じてモバイル端末でサイトを見るということができるようになりました。

まだ制限は多かったものの、モバイルでサイトを閲覧する習慣を作ったのは偉大だった思います。
この頃から新しく始まったのが携帯電話の『買取制度』です。

これまでレンタルだった携帯電話を個人で買い取り、免許は各キャリアがまとめて取得する、ということが可能になりました。
同時にNTT以外のキャリアの登場で競争がおき、利用料金が格段に下がりました。

スマートフォンが普及”3G世代”

2001年になり”3G”がスタートしました。
ここから通信速度が飛躍的に向上し、PCを使って有線で見ていたようなサイトも携帯電話で見ることが可能となりました。
同時期にスマートフォンの普及も進み、モバイル端末とPCの間にあった差がかなり縮まりました。

ただ、ここで立ちはだかったのが月々の通信制限です。
高速通信ゆえに使い方を誤るとあっというまに容量の限界に達してしまいます。

高速通信が可能”4G世代”

さらに時代は進み、2015年にはLTE-Advancedによる”4G”サービスがスタートしました。
通信速度も大幅に向上し、携帯電話で動画を見ることができるなどPCとの差がほとんどなくなりました。
最大1Gbpsの通信速度は、第三世代(3G)の頃と比べると圧倒的で、かつて約21時間かかっていたダウンロードもなんと約30秒で出来るようになりました。

移動体通信の歴史を振り返ると、わずか30年足らずで大きく進歩しているのがわかります。
現在の主流は”4G”ですが、2020年頃の実用化に向け更なる高速通信を可能とする”5G”サービスが各国で推進されています。

新しい時代を作る5G

次の世代”5G”は2020年までに実用化しようと各国で議論され、通信速度は”4G”の10倍の10Gbpsです。

これによりIoTの更なる加速が期待され、モバイル端末で通信による遅延がほとんどなくなります。
※離れたところにあるロボットを操作する技術『テレイグジスタンス

携帯電話はもちろん、近年注目されているドローンや自動運転車なども通信速度の向上で大きく進歩するでしょうし、日本が掲げる次世代の社会像『Society5.0』の実現に向けなくてはならない技術です。


いかがだったでしょうか?
直近の30年あまりだけでも技術は大きく進化し、そのスピードはさらに加速しています。
私たち未来技術推進協会はこれからますます進歩する技術を普及させ、より良い社会の実現に貢献していきます。

参考