もうひとりの自分!?テレイグジスタンスとは?
みなさん、こんにちは。鈴木彩です。
今回は、テレイグジスタンス(Telexistance:遠隔存在)という技術の紹介です。
東京大学の舘暲(たち すすむ)名誉教授が提唱した技術で、自分が今いる場所と離れた場所にあるロボット(アバターロボットと呼びます。)を操作する技術です。
テレイグジスタンスについて触れている記事もあるので、参照ください。(VR動向)
テレイグジスタンスロボット、テレサV
テレイグジスタンスロボットの「TERESAR V(テレサ ファイブ)」は舘名誉教授によって開発されました。
外観は腰から上半身だけの、一見なんの変哲もないロボットですが、専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)や動きを感知するグローブやベストを装着して操作すると、なんと、自分と同じ動きをするのです!
ロボットの目には2眼カメラが装着され、HMDを通して映像が映し出されます。また、音も、ロボットの耳に内蔵されたマイクを通して操作者のHMDにあるスピーカーに届けられます。操作している人が顔や手を動かすと、ロボットも同様の動きをし、操作者が話すと、ロボットに装備されているスピーカーから声が聞こえてきます。
ロボットが触ったり持ったりしたものは、感圧・摩擦センサー等により、振動や温度が触覚として伝えられ、操作者があたかも触ったり持ったりしたように感じることができます。
以下の動画はTERESAR Vを実際に操作している映像です。
【5Gの未来】テレイグジスタンスを体験①
この場にいながら、まるで遠くの場所にいるような体験ができるのが面白いですね。
では、この技術はどのように活用されるのでしょうか?
テレイグジスタンスにより広がる可能性
テレイグジスタンスなら、身体を移動させることなく遠方にあるロボットを操作するだけで良いので、職場にアバターロボットを置いておいて自身は自宅にいながら仕事をすることができるようになるかも知れません。こうなれば、自宅で育児や介護をしながら仕事をすることができるようになります。
その他、海外出張がある方は便利かもしれません。わざわざ海外へ行かずとも、現地にあるアバターロボットを操作すれば仕事をすることができます。また、世界で時差があるおかげで仕事場を24時間稼働することも可能です。
ゆくゆくは、自宅にいながら海外旅行気分を味わうこともできるかもしれません。
テレイグジスタンスの技術は多くの可能性を秘めていそうですね。
私個人としては、育児をしながら仕事ができるかも知れないというところに魅力を感じます。なにより、触覚まで再現できる様になるとは、技術の進歩は本当にすごい。
私達未来技術推進協会では最新技術の発信やアイデアソン、講演会などを通して日本の技術革新に貢献していきます。