SDGsの目標15と世界100以上のマーケットに届くFSC認証
こんにちは。TabiOです。
前回までの記事では、SDGsの日本の取り組みや企業の取り組みについて紹介しました。
本日は趣向を変えて、SDGsに取り組む民間団体を取り上げます。
今回は、非営利団体のFSC(Forest Stewardship Council)について紹介します。
FSCはSDGsの「目標15 陸の豊かさを守ろう」にフォーカスして活動している団体です。
SDGsを初めて聞いたとか、あまり知らないという方は「世界中が取り組む持続可能な開発目標(SDGs)とは?」をご覧ください。
まずは目標15についておさらいして行きましょう。
「目標15 陸の豊かさを守ろう」ってどんな目標?
目標15の主な内容は、陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止するというものです。
ちなみに「SDGsの日本の目標達成状況」という記事で紹介しましたが、日本はこの目標15に関しては目標達成には程遠いという評価になっています。
今後の日本にとっても緊急に取り組むべき内容となりそうです。
ではその重要な目標15にフォーカスして取り組んでいるFSCという非営利団体があります。一体どんな組織なのでしょうか。
FSC認証を発行している非営利団体FSCとは?
FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする非営利団体です。
環境団体、林業者、林産物取引企業、先住民団体等が中心となって、1994年に法人として正式に発足し、FSC事務局がメキシコに設置されました。
現在の国際本部はドイツのボンにあり、日本にもFSCジャパンがあります。
主な活動は国際的な森林認証制度(FSC認証)の運営を行なっています。
FSC認証は、多くの消費者、環境団体、企業などから支持を集め、世界で最も信頼度の高い森林認証制度として国際的に知られています。
FSC認証は、森林管理を認証する「FM(Forest Management:森林管理)認証」と、認証された森林から産出された林産物の適切な加工・流通を認証する「CoC(Chain of Custody:加工流通過程の管理)認証」があります。認証された製品には、ロゴマークがつけられます。
FSC認証はどのような仕組みになっているのでしょうか。
下記画像で説明します。
画像のような仕組みでFSC認証がついた商品を購入することで、適切な森林管理に貢献することができます。
FSC認証は仕組みもしっかりしている上に普及していることも強みになっています。
世界で一番普及している木材認証制度
FSC認証材は100を超えるマーケットに届けられており、世界で一番多くの認証を発行しています。それだけ普及している要因には基準の高い認証制度や透明性が高い運営ルールがあるからです。FSCジャパンの「FSCが選ばれる10の理由」よりその一部を紹介します。
- 高い透明性
- 世界中で一貫した規格
- 地域性も反映
指針や規格作り、見直しの際の手続や意思決定はすべて公開され、誰でも意見を述べることができます。また認証製品は独立した第三者 監査を経て作られています。
世界のどこで管理されている森林であろうと、適用される規格は同じ原則と基準に基づいています。
FSC認証林の審査には地域の利害関係者からの意見が必ず反映されます。また森林の評価に用いられる規格も国内専門家によって、地域性が反映されます。
3つほど紹介しましたが、基準が一貫していることや地域差もうまく反映している認証は少ないと思います。
その信頼の証に、2010年にカナダで行われたバンクーバーオリンピックの選手村およびパラリンピックセンターの建設にはFSC認証木材が使用されました。
2012年のロンドンオリンピックのオリンピック公園はFSCプロジェクト認証を取得し、国際的イベントにおいてFSC認証材を使うことは近年、世界的な流れになってきています。
まとめ
FSCについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
日本でもFSC認証される企業と認証受けている商品を購入する人が増えることで、SDGsの「目標15 陸の豊かさを守ろう」の適切な森林管理への活動がより加速し、目標の達成に近づいていくと思います。
もし今までFSC認証を見たことない方がいれば、身近な紙や木材製の商品にも認証マークが付いているので、お店で探して見ると新しい発見があって面白いかもしれません。
普段の買い物にSDGsへの貢献という新しい観点を取り入れて見てはいかがでしょうか。
以上、TabiOでした。