SDGsの日本の目標達成状況とこれから
こんにちは。TabiOです。
前回の記事では、持続可能な開発目標(SDGs)について紹介しました。
今回はSDGsの日本の現状について紹介したいと思います。
SDGsの日本の目標達成状況
2015年にSDGsが採択されから2年が経ち、各国の取り組みが明らかになってきました。
2017年7月にSDG Index and Dashboards Report 2017という世界のSDGsの目標達成状況についてまとめたレポートが発表されました。
このレポートによると日本の取り組みは加盟国157カ国中11位でした。
1位はスウェーデン、2位はデンマーク、3位はフィンランド、4位はノルウェー、5位はチェコで欧州の国が進んでいるようです。
日本の取り組みも各目標ごとに評価されているので紹介します。
目標をすでに達成していると評価されている項目は、以下の3項目です。
- 目標4:質の高い教育をみんなに
- 目標8:働きがいも経済成長も
- 目標9:産業と技術革新をつくろう
■目標4:質の高い教育をみんなに
教育面では「初等教育の入学率」が100%であると評価されていました。
身内や友人の子供を見ても、幼稚園や保育園に行くのが当たり前になっているので、世界中でも評価が高いようです。
■目標8:働きがいも経済成長も
経済成長では「人口に対する就労人口の割合」や「15歳以上の人の銀行口座や金融アカウントや電子決済アカウントの保持」という項目で評価されています。
学生もアルバイトをしたり、デビッドカードの普及やスマホで買い物が出来る等のお金のやりとりは、今や15歳以上の人なら当たり前になってきているのは、筆者も実感があります。
■目標9:産業と技術革新をつくろう
技術革新では「携帯電話の契約率」「インターネットの使用している人口の割合」「特許の出願数」等の項目が評価が高い項目でした。
スマホを1人で2台持ちしている人もいたり、日本の携帯キャリアのカバーエリアを見ても繋がらない地域の方が少ないくらいまで普及しているので、日本のインターネット環境は整っていることがわかります。
ちなみに特許庁の統計によると、日本の特許出願数は2017年12月時点の統計では、毎月23,000件以上申請があります。国際特許の出願数は毎月3,000件以上と、新たな技術が生まれ続けているのはとてもすごいことだと思います。
次に達成に近づきつつあるが課題が多い評価された項目は、以下の6項目です。
- 目標1:貧困をなくそう
- 目標2:飢餓をゼロに
- 目標3:すべての人に健康と福祉を
- 目標6:安全な水とトイレを世界中に
- 目標11:住み続けられるまちづくりを
- 目標16:平和と公正をすべての人に
上記の内容は生活の基盤となる目標が多く、日本の生活水準は高いとされています。
各項目についてコメントすると長くなるのでこちらは割愛します。
課題が多いと評価された項目は、以下の3項目です。
- 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 目標10:人や国の不平等をなくそう
- 目標14:海の豊かさを守ろう
日本は島国ですが海の豊かさの部分で評価が低いのは残念なところです。
各項目についてコメントすると長くなるのでこちらも割愛します。
達成に程遠いと評価された項目は、以下の5項目です。
- 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
- 目標12:つくる責任つかう責任
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
- 目標15:陸の豊かさも守ろう
- 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
目標5のジェンダーについては、「女性の国会議員の比率」「男女の賃金格差」の項目が特に低く改善の指摘をされています。
目標12のつくる責任つかう責任では、「ゴミの廃棄量」や「リサイクルができない廃棄物」等が指摘されていました。
目標13や15のように国として大きな動きが必要な目標も課題としてあるので、国全体で動いて行く必要があるかと思います。
他にも色々な項目が紹介されているため、より詳細に内容を見たい方はSDG Index and Dashboards Report 2017をみてみてはいかがでしょうか。
今回の評価が全てではないですが、レポートの評価から日本の強みと弱みがある程度わかったのではないでしょうか。
日本の具体的な取り組み
達成に程遠いと評価された目標について日本は何もしていないのかというとそうではありません。ここでは日本の取り組みについて2つ紹介します。
日本の持続可能な開発目標推進本部が作成している「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的施策」によると下記のような施策が記載されています。
(1)目標5:ジェンダー平等を実現しようについての施策
- 女性活躍、男女共同参画の推進
内閣府が主体となって、「第4次男女共同参画基本計画」に基づき、12の重点分野を強化して行くと発表しています。
①男性中心型労働慣行等の変革
②政策・方針決定過程への女性の参画拡大
③雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和
等に取り組むと記載されており、日本はまだ男性主体が強い国だと感じました。
これらの施策を実行して、より女性の活躍する場が広がるといいなと思います。
(2)目標12:つくる責任つかう責任についての施策
- 消費者基本計画の推進
消費者庁が主体となっている施策で「消費者基本計画」に基づき施行されます。
①消費者の安全の確保
②表示の充実と信頼の確保
③適正な取引の実現
④消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成
等が記載され、企業側の努力が求められていることと、消費者が選択・行動できるような社会基盤を作ろうとしているように感じました。
他にも様々な施策や今後の国の方針が記載されているので、「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的施策」を一度読んでみることをお勧めします。
最後に
本日の記事では日本の目標達成状況とそれに対する施策について紹介しました。国としての評価や施策はされているものの、具体的にどうしたらよいのかと思う人も多いと思います。
次回の記事では、企業・団体の取り組み事例について紹介していきたいと思います。
2030年まで全世界が一丸となって取り組むSDGsの活動はまだ始まったばかりです。
まずは日本が目標全て達成できるように研究機関、投資家、企業と力を合わせて活動していければと思います。
以上TabiOでした。