地球の環境変動を研究する『ベルモント・フォーラム』

こんにちは。山本睦月です。

皆さんはバタフライ効果という言葉を聞いたことがありますか?
主に自然科学の分野で使われるようですが、最初の小さな違いが長期的に見ると大きな差になる可能性があるという意味です。
由来は、1972年に気象学者のエドワード・ローレンツさんが行った講演のタイトル『ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?』から来ているそうです。


これを題材にした映画もありますね。
※参考:映画『バタフライ・エフェクト』

さて、今回はそんな非常に繊細で地球規模な分野に関して見ていきましょう。

国際的な科学組織『ベルモント・フォーラム』

地球の環境変動に関して知るには、長期的な観測と地球規模での調査が必要になります。
2009年に設立された『ベルモント・フォーラム』は、そういった研究への支援を行う世界各国の研究支援機関、および国際的な科学組織のグループです。
アメリカ、欧州、中国、日本など35か国以上の代表的な研究者が連携し、人類社会の持続可能性を阻む問題の解決に取り組んでいます。

ベルモント・フォーラムでは並行して、様々な分野で共同研究活動が立ち上がっています。
活動内容は多国間(3か国以上)の共同提案を募り、採択した課題について各国に分担された研究をその国の研究支援機関が資金支援します。

過去に公募された共同研究の内容には以下のようなものがあります。

<2012年>
・水の安全保障(Freshwater Security)
・海岸線の脆弱性(Coastal Vulnerability)
<2013年>
・食料安全保障と土地利用の変化(Food Security and Land Use Change)
・e-インフラとデータ管理(e-Infrastructure and Data Management)
<2014年>
・生物多様性と生態系サービスのシナリオ(Scenarios of Biodiversity and Ecosystem Services)
・持続可能性のための北極観測と研究(Arctic Observing and Research for Sustainability)

日本からは、日本気象学会賞などを受賞されている東京大学の中村教授や、気象・海洋物理・陸水学の専門家である新潟大学の浮田教授が参加しています。
日本の活動内容としては、異常気象の予測精度向上を目的とする『InterDec』や、アジアの生物多様性と生態系サービスの持続可能な利用のための知識と行動を結びつける国際的な研究者ネットワークを構築するプロジェクト『TSUNAGARI』、海洋に依存する沿岸地域社会の脆弱性を軽減する『GULLS』などがあります。

※参考:ベルモント・フォーラム共同研究活動 「季節~10年規模の地域間連関が気候予測の改善へ向けて持つ潜在的可能性」

ベルモントフォーラムの興味深い点は、研究テーマを提案する条件に『3か国以上』の合同が義務付けられていることです。
各国の協力体制が整うと共に資金的な支援も強固なものになり、各プロジェクトの成功がより堅実なものになるでしょう。
特に長期的で地球規模の広範囲な情報が必要になる気象変動の分野では、非常に相性がいいように思います。

まとめ

地球の環境変動に関する研究は、国連が推進するSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)においても大きく貢献しています。

※SDGsの17の目標と169のターゲットについてはこちらを参照ください

研究成果を上げるためには各国の連携が必須であり、後回しにすると未来の社会で大きな問題を生む可能性があります。
冒頭に紹介したバタフライエフェクトのように、最初は小規模な取り組みである場合が多いですが、将来的には地球規模の効果につながっていくのではないでしょうか。
私たち未来技術推進協会は、大学や技術者、企業、投資家の橋渡しをする産学官の連携をはじめ未来技術の発展と推進を目的として活動しています。
国内の連携を深めながら、より良い社会を創るよう貢献していきます。


参考