6年ぶりの見直し!SDGsを取り入れた「第5次環境基本計画」(前篇)

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6年ぶりの見直し!SDGsを取り入れた「第5次環境基本計画」(前篇)

こんにちは、Vona(ボーナ)です。
突然ですが、みなさんは国の環境政策を纏めた「環境基本計画」をご存知でしょうか?
環境基本計画は、環境基本法に基づき、政府全体の環境保全の施策について総合的かつ長期的な計画を定めたものとなっています。
平成6年12月に第一次環境基本計画が策定され、5年前後で計画が見直されており、平成24年4月に見直されてから実に6年ぶりとなる平成30年4月に見直しが実施されました。
(オリンピックより長いですね…)
今回見直された「第5次環境基本計画」は、これまで環境保全が中心だった計画とは異なり、経済や社会が抱える課題解決も目指しSDGs(持続可能な開発目標)の内容も盛り込んだものとなっています。
今回の記事では、この「第5次環境基本計画」について紹介します。

第5次環境基本計画の概要

(1)環境・経済・社会の現状と課題認識
日本の現状として、少子高齢化・人口減少を迎えるとともに地方から都市への若年層の人口集中に起因する地域的な偏在が加速し、地方の若年人口、生産年齢人口の減少が進んでいます。こうした問題は、地域のコミュニティの弱体化を招き、地方の行政機能にも深刻な影響を与えます。例えば、農林業の担い手の減少による耕作放棄地の増加や、狩猟者の減少などによる野生鳥獣被害が現在深刻化しています。そうした地域では、自然災害に対する脆弱性が高まるとともに、豊かな自然や地域独自の文化が失われる危機に瀕しています。
また国際社会に目を向けると、アフリカやアジア諸国を中心に世界の人口は増大しており、世界的に天然資源・エネルギー、水、食料などの需要が拡大していることで日本経済にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
このような課題を踏まえて、新計画には「SDGs」と「パリ協定」の考え方を取り入れ、さらに第4次産業革命と呼ばれる人口知能(AI)、IoTなどの技術革新、金融ではESG投資の拡大などの国際社会の潮流も含めた課題解決に向けた具体的な施策について明記されています。
次節にその具体的な施策に関する6つの重点戦略について紹介します。

(2)環境政策の6つの重点戦略の概要
前節の課題解決に当たって、特定の施策が複数の異なる課題を統合的に解決するような「分野横断的な戦略」として6つの重点戦略を設定されています。以下にその概要を紹介します。

①持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築
-企業戦略における環境ビジネスの拡大・環境配慮の主流化
-国内資源の最大限の活用による国際収支の改善・産業競争力の強化
-金融を通じたグリーンな経済システムの構築

②国土のストックとしての価値の向上
-自然との共生を軸とした国土の多様性の維持
-持続可能で魅力のあるまちづくり・地域づくり
-環境インフラやグリーンインフラ等を活用したレジリエンス(強靭さ)の向上

③地域資源を活用した持続可能な地域づくり
-地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用
-地域の自然資源・観光資源の最大限の活用
-都市と農村漁村の共生・対流と広域的なネットワークづくり

④健康で心豊かな暮らしの実現
-環境にやさしく健康で質の高い生活への転換
-森・里・川・海とつながるライフスタイルの変革
-安全・安心な暮らしの基盤となる良好な生活環境の保全

⑤持続可能性を支える技術の開発・普及
-持続可能な社会の実現を支える最先端技術開発
-生物・自然の摂理を応用する技術の開発
-技術の早期の社会実装の推進

⑥国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築
-国際的なルール作りへの積極的関与・貢献
-海外における持続可能な社会の構築支援

これらの6つの重点戦略をもとに、環境・経済・社会の統合的な向上を具体化し、環境政策を契機として、経済・社会システム、ライフスタイル、技術などあらゆる観点からイノベーションを創出し、課題にアプローチしていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、新たにSDGsの考え方を取り入れ、設定された環境基本計画について紹介しました。この環境基本計画の重点戦略に記述されている内容が、SDGsや新しい技術を取り入れた社会課題の解決において、市場ニーズを探る手がかりとなるのではないでしょうか。次回は、その重点戦略の具体的な施策について紹介していきます。

以上、Vona(ボーナ)でした。


参考