投資としてのソーシャルボンド

こんにちは。TabiOです。
前回の記事では、ESG投資について触れ、企業が投資を受けるために必要な内容を紹介しました。
今回はそのESG投資の一種であるソーシャルボンドを扱っているJICAの事例を紹介したいと思います。


ソーシャルボンドってなに?

ソーシャルボンドとは、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)が公表している下記2つの条件を満たす債券です。

(1)調達資金が社会開発※のための事業に活用されること
(2)資金使途、事業評価・選定プロセス、資金管理、レポーティングについての情報開示がされていること

※社会開発とは、経済開発の進展に伴う国民生活への有害な影響を除去または緩和するために,保健衛生・住宅・雇用・教育・社会保障などの公共的サービスの増進を目指すことを指します。

社会開発のための事業向けに提供される債権という位置付けです。

ここで債権ってそもそもなんだっけ?と思った方も多いのではないでしょうか。
私は完全に思いました。ということで債権についておさらいします。

債券は、国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業等が、一時的に投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。
資金調達するために発行するという点では、株式と目的は同じですが、あらかじめ利率や満期日などが決められて発行される点が株式とは異なります。
債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取ることができ、満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取ることができます。(下図参照)
このように債券は、満期日に額面金額が返金されることが約束されていますので、安全性の高い金融商品と言われています。

引用元:http://www.jsda.or.jp/manabu/bond/level1/bond1_01.html

つまり、ソーシャルボンドとはICMAの条件を満たしている金融商品で、発行する組織からすると資金調達方法の一つと言えます。
次にソーシャルボンドを扱っている組織であるJICAについて説明します。

JICAとは?

JICAとはJapan International Cooperation Agencyの略であり、日本語では「独立行政法人国際協力機構」と呼ばれています。
日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。
おそらく青年海外協力隊のイメージが強いのではないでしょうか?
青年海外協力隊はJICAのボランティア事業の一つですが、他にも開発途上国への技術協力や、研究活動、有償資金協力等様々な事業を行なっている組織です。

JICAが扱うソーシャルボンド「JICA債」とは?

JICA債とは、JICA が実施する有償資金協力事業に必要な財源に充てるため、財投機関債による国内資本市場からの資金調達と、政府保証外債による海外資本市場からの資金調達の2つを総称したものです。
調達資金の全額が充てられる有償資金協力事業とは、開発途上国に対して低利で長期の緩やかな条件で公共事業等の開発資金を貸し付けることによって、開発途上国の経済・社会発展への取り組みを支援するものです。
また、JICA債の発行は、2016年12月に策定された日本政府の「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」で、具体的施策として盛り込まれ、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に貢献する活動と明記されています。
目標17といえば、日本が達成に程遠いと評価をされていた項目となっており、達成度の向上が期待されます。
※詳細はこちらの記事参照

ソーシャルボンドへ投資することで、途上国の開発の資金提供に貢献でき、自分にもリターンを得ることができるだけでなく、投資家が増えれば増えるほどSDGsの目標17にも貢献できるというメリットがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ソーシャルボンドはまだ世の中に認知されていないキーワードかと思いますが、理解するととても有意義なアクションです。
また、類似の債権では、環境問題への取り組みに対して発行される「グリーンボンド」という債権もあります。興味ある方はそちらも調べてみても面白いかもしれません。
SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献する可能性があるので、これを機にソーシャルボンドへの投資をしてみるのはいかがでしょうか。

私たち未来技術推進協会でも、企業、大学、投資家とパートナーシップを組んでいくことでSDGs達成に貢献していきます。

以上、TabiOでした。


参考サイト