食卓からうなぎが消える?海洋大国 日本の課題
こんにちは、Vona(ボーナ)です。
日本の食卓からうなぎが消える!?
このニュースがテレビで紹介されたのを見て衝撃を受けました。今回は絶滅危惧種に指定された「ニホンウナギ」と国連によって採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」と合わせて紹介します。
目標14について
「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
どうしてニホンウナギが減少したのか
2014年に個体数の減少から「ニホンウナギ」がIUCN(国際自然保護連合)レッドリストの絶滅危惧IB類(近い将来の絶滅の危険が高い種)に指定されました。ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの捕獲量が1970年頃から急激に減少しており、2017年と比較すると約5分の1となっていると水産庁より報告されています。
この急激な減少の要因としては、海洋環境の変動、親ウナギやシラスウナギの過剰な漁獲、生息環境の悪化が要因ではないかと言われています。ただし各要因がどのように関連しているのかの評価は困難で主要因は明確にはなっていませんが、「予防原則」(因果関係が証明されていなくても、取り返しのつかない状態に陥る恐れがあるときは、対策を講じるべきという資源管理の考え方)に従って、漁獲対策や生息環境の改善に取り組んでいます。
また、SDSN(SDGs推進機関)とBertelsmann財団(ドイツ)による評価では、日本の海洋資源に関するSDGsの目標14の達成度は、現在のところ低いと見なされています。日本は国土は狭いですが排他的経済水域と領海を合わせた面積はなんと世界第6位であり、今後の動向については世界から注目されています。
日本におけるウナギの消費の起源
ウナギの減少要因の一つとして指摘されている’’過剰な漁獲’’という問題があり、その先には私たち生活者の大量消費が挙げられます。なんと世界のうなぎ消費量の5割以上は日本人の胃袋に入っているとか。
そもそもウナギを食べる習慣は、江戸時代に始まったとされています。みなさんも「土用の丑の日」と言えばうなぎですよね。諸説ありますが、江戸時代にウナギ屋がうなぎが売れないで困っているところ、発明家で有名な平賀源内に相談してお店に「本日丑の日」という張り紙をお店に貼り大繁盛したことが始まりと言われています。
ちなみに今年2018年は7月20日と8月1日の2回土用の丑の日があるそうで”二の丑”と呼ぶそうです。
ニホンウナギ保護のための具体的な対策
ここでは国や自治体で取り組んでいる事例を紹介します。
まず1つ目に「国際的な資源管理」があります。シラスウナギは、黒潮に乗ってチャイニーズ・タイペイ、中国、日本、韓国へ流れ着き、そこで漁獲され養殖の稚魚として利用されていることから、これらの国と地域で協力して資源管理をする必要があり、日本を中心に協力に関する議論を推進しています。
2つ目に「国内における資源管理」について、稚魚のシラスウナギの漁獲量を管理するのは、採捕場所が各地複数あることから密漁なども横行し困難なため、最終の養鰻業者の池入数量で管理したり、捕獲期間の制限を実施したりしています。
まとめ
今回は絶滅危惧種となった「ニホンウナギ」の事例を取り上げ、日本のSDGsに関する取り組みを紹介しました。日本には独自の食文化が根付いており、海外からも注目されているなかで、私自身もずっと残していきたい文化はたくさんあります。SDGsを通して国や自治体の施策だけでなく、個人で取り組める小さなアクションを考えさせられました。これからは「土用の丑の日」はうなぎを守る日としてみてはどうでしょう。
みなさんもぜひ自分一人でもできることから考えてみてはいかがでしょうか。