サッカー界の次のスターを人工知能(AI)で発掘?!

こんにちは。一護です。

突然ですが、スポーツの世界にもAIが活用され始めていることをご存知でしょうか?
今年はロシアでワールドカップが開催されますが、サッカー選手の分析・移籍において、AIを活用した手法が影響力を与え始めてきているようです。
今回の記事ではAIによるサッカー選手の「データスカウティング」についてご紹介します。


SciSports社(オランダ)

SciSports社は2012年にGiels Brouwer氏(創業者兼CEO)とAnatoliy Babic氏(共同創業者)の2人によって設立されました。
設立以降、サッカー選手に焦点を当て、データの収集と分析に機械学習、ディープ・ラーニング、AIを適用することで、選手の分析・移籍に「データスカウティング」旋風を巻き起こし始めています。

2017年の夏には約40の移籍に関わっており、設立からたった5年でサッカー業界に大きな影響力を与え始めています。
これだけ大きな影響力をどのように実現しているのか、同社が提供する2つのシステムについて以下にご紹介します。

SciSkill Index
SciSkill Indexは、世界中の全てのプロサッカー選手を1つの普遍的なインデックスで評価するシステムです。
同社では機械学習アルゴリズムを用いて、20万人以上の選手のスキル、才能、価値を計算しており、このデータは、クラブが才能豊かな選手の発掘、特定のプロファイルに合致する選手の探索を行うのに役立ちます。

SciSkill Indexでは、選手の現在価値比較や、将来に向けたポテンシャルと市場価値の評価を自動的に行っており、毎週、210のリーグにおける1,500以上の試合が、SciSkill社のテクノロジーによって分析されています。
サッカー選手に関するパフォーマンスデータとしては、走行距離やパス成功率などがよく取り上げられますが、SciSkill Indexでは、チームに対する貢献度で選手を評価しています。

BallJames
BallJamesは、トラッキングに基づくデータ生成および2D/3Dのゲーム再現を、完全自動でリアルタイムに行える統合システムです。
従来のサッカーデータ分析会社では、ボールを持った選手のデータのみを生成し、それ以外のプレーは記録の対象外だったため、選手のプレークオリティの全体像を把握することは不可能だったと、SciSports社CEOのBrouwer氏は語っています。

BallJamesの中核は、動画から自動的に3Dデータを生成するリアルタイムの追跡テクノロジーで、14台のビデオカメラがスタジアム内を取り囲むように配置され、試合の全ての動きを記録します。
BallJamesはそれらのビデオ映像由来の3Dデータを解析し、パスの精度/方向/スピード、ダッシュの力強さ、ジャンプ力などに関するデータを生成します。
ボールと全選手の位置関係の正確な推移をデータとして取得できているため、起こり得るすべての可能性について分析が可能になるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
契約金が数十億円に及ぶ今の時代、選手の採用はチームの存続を賭けたとても重要なミッションです。
これまでは、スカウト陣やコーチ陣は自身の観察眼や数十年の経験で培った直感を駆使して選手を見極めて来ましたが、先進的なクラブでは、高度なアナリティクスを活用して、未来のスター候補や過小評価されている選手を見極めるようになってきています。
実際、SciSill Indexによる選手の評価は、予想外の選手獲得劇をいくつも生み出し、いくつかのケースでは大きな利益へとつながっているようです。
スポーツ業界における今後のAIの活躍からは目が離せないですね。

以上、一護でした。

参考