「未来人に期待すること」松谷孝征氏(株式会社手塚プロダクション代表取締役社長)インタビュー
『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『ブラック・ジャック』『火の鳥』など、誰もが知っている不朽の名作を生み出し続けた手塚治虫先生を、16年間マネージャーとして支え続けた松谷孝征氏(株式会社手塚プロダクション代表取締役社長)に貴重なインタビューの機会をいただきました。
(不思議な巡り合わせで、インタビューさせていただいた4月7日は鉄腕アトムの誕生日でした。)
日本が世界を牽引する漫画・アニメーションを通じ、未来人の精神的な成長に向けて活動されている手塚プロダクションと、「日本の若手から世界に向けてイノベーションを起こす」というビジョンを持つ私たち協会のつながりを感じながら、松谷社長にお話を伺いました(手塚先生が、これからを生きる子供や若者を「未来人」と呼んでおられました)。
– 未来技術として期待されるロボットやAIは、仕事が奪われる、人に害をなすなど負のイメージを持たれがちですが、どんな未来を想像していらっしゃいますか?
日本では特にアトムがいたからロボットを嫌がらなかったと言われています。心優しく皆から愛され可愛がられる存在です。
ロボットに限らず、技術を扱う上で大事なのは、何のために技術革新をするのか?目的意識を持っていることだと思います。社会貢献のために高みを目指す、そして、新しい技術を創ったときは必ず使う人に目的を伝えることが大事だと考えています。目的を分かち合うことで、技術を正しく扱うことができると思います。
– 私たちの協会は20代~30代の若手技術者が多いのですが、若手に期待することをお聞かせください。
一つの分野だけでなく、全く違う分野も幅広く勉強をすること。科学や技術分野だけでなく、世界情勢や一般的な国際問題の情報、その他小説、音楽、舞台等、他の分野の勉強もすることで仕事に反映されると思います(これは、手塚治虫がマンガ家を目指す若い後輩たちに話したことの受売りです)。そういったことを押さえた上で、やはり何のために作るのかを根幹に持ち、使う人に伝え続け広めていくことを期待します。
手塚治虫は常にあらゆる命の大切さ、戦争の悲惨さを作品を通じて子供たちに伝えようとしていました。
– 最後に未来人の技術者にメッセージをお願いします。
本音を言うと、自然に戻ってほしいのですが(笑)
人類のために例えば地球温暖化防止への貢献など、世界全体に目を向けて、社会貢献や私たちが住んでいる地球を大切していってほしいですね。社会課題を解決するような、大きな視野を持って技術革新や活動をしていくことを期待しています。頑張ってください。
インタビューを終えて
インタビュー前後で私たちメンバーに気さくに接してくださったり、インタビュー中も終始朗らかにお答えいただいたのが印象的でした。
地球全体を見据えた視野を持って技術革新すること、根底にある目的意識を伝え分かち合って行くことをまっすぐ伝えていただき、改めて背筋が伸びる機会となりました。
手塚プロダクションでは、仮想通貨・地域通貨として異例の発展を続ける「アトム通貨」(2018年で15期目)や、2018年が手塚先生の生誕90周年にあたることから「手塚治虫生誕 90 周年記念事業」を展開されています。記念事業においてはイベントや商品・アプリサービスなど様々な展開がされていく予定です。
未来技術推進協会としても、技術・コミュニティの観点で貢献したいと考えています。
参考サイト
アトム通貨
TezukaOsamu.net