無限に広がる深海の夢

みなさん、こんにちは。鈴木彩です。

突然ですが、みなさま、将来設計はお済みでしょうか?
何歳までに結婚をして、どんなところに住み、子どもは何人…ああ、ペットを飼うのも良いですね。AI機能の搭載されたわんちゃん達はいかがでしょう。

住む場所に関しては、どんな所が良いですか?自然豊かな場所、高級住宅街なども良いですね。
深海に住むというのも面白いかも知れません。今回は、深海未来都市についての紹介です。


深海未来都市構想 OCEAN SPIRAL

清水建設では、深海未来都市構想を発表しています。
この深海未来都市は、海面付近の「BLUE GARDEN(ブルーガーデン)」と呼ばれる居住区と、海底約3000m-4000mの「EARTH FACTORY(アースファクトリー)」という海底資源研究開発のための工場を「INFRA SPIRAL(インフラスパイラル)」という螺旋状の構造物で結んでいるという構造でできています。

居住区に当たるBLUE GARDENは直径500mの球体型の構造をしています。
(詳しくはこちらのページ参照)
内部の中央にあるタワーには、ホテルや商業施設、オフィス、住居、研究施設等が入り、約5000人を収容することができます。
居住区内の温度変化は少なく、地震や台風などの影響もなく快適に過ごすことができます。
その理由は、深海と空気の温度差を利用して空気を循環させたり、発電することができたり、地震による津波や台風の際には居住区を水面下に沈下させて波浪の影響を少なくする事ができるためです。

また、この都市内では世界が抱えるエネルギーや水、CO2、資源などに関わる課題を解決する可能性を秘めています。

例えば、深層水で養殖を行うことで、食料の問題を解決することができるかも知れません。
深層水は表層水に比べて冷たく、栄養に富んでおり、海の中には無限に存在しています。この深層水を用いて温度と栄養をコントロールすることで、様々な魚などの養殖が可能になると考えられます。また、水以外の不純物を通さない膜を用いた逆浸透膜式淡水化処理により深海の圧力を利用して海水を淡水化できれば、水の問題も解決しそうです。他にも、CO2はこれまでは「削減」が主な課題となっていましたが、地球が本来持っている炭素循環システムを利用すれば、CO2から人工的に天然ガスのメタンを製造できるため、これを燃料として再利用することで、炭素循環による新たなエネルギー供給システムが構築できたり、海洋温度差発電を活用してエネルギーの自給自足をすることも可能です。

いかがでしょうか?
深海にはエネルギーや水など多くの資源が眠っており、可能性も感じます。
なにより、深海に住むというのはロマンがあってステキですね。
そのうち出身地が海になる方も出てくるのでは?

しかし、この構想を実現するためには水圧に耐えるための構造や、快適に暮らすための技術、どのようにメンテナンスを行うかなどの様々な技術的課題に挑戦する必要があります。
清水建設では、2030年までに構想実現のために必要な技術を確立することを目指して大学や企業と連携しています。

私達未来技術推進協会も企業や大学等を繋ぎ、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げる目標を未来に発展が期待されている技術で解決するにはどうしたら良いか、アイデアソンやハッカソンを通して考え、より良い社会実現をするための活動を続けていきます。


参考サイト