SDGsと世界情勢、経済との関連性
こんにちは。飯田如です。
先進国と開発途上国が共に手を組み、「17目標169ターゲット」を目標に世界各国でモノ・サービスの開発を活発化させようと動きがあります。この目標はSDGsと呼ばれています。
「SDGs概要」では、SDGsの概論を記載しました。
本記事では、SDGsが近年注目されるようになった経緯、その目標達成のために必要な資金援助の流れと国際情勢について、中国経済を一例に挙げた世界の開発動向を説明します。
SDGs採択までの流れ
SDGsの前にはMDGsという開発目標があり、
「持続可能な開発目標(SDGs)と開発資金」を引用すると、
MDGsの達成状況は概して悪くないものの深刻な治安上の問題を抱える、いわゆる脆弱国と呼ばれる国々の達成状況が悪かったこと、気候変動がグローバルな問題として深刻化したことと、国際社会の中でも重複したアジェンダが異なるフォーラムで議論されていることなどが踏まえられた。
MDGsの反省を踏まえ、より広範囲な目標としてSDGsが設定されたと言えます。
また、SDGsと同年度に国連で採択された行動目標があり、下記にその説明をします。
SDGsと、それを達成するための開発資金に関する指針となるアディスアベバ行動目標(AAAA)が2015年に開発資金国際会議で採択されました。
この世界情勢の影響を受けて、日本では次の章に示す動きが見られるようになりました。
SDGs採択を受けて〜日本情勢〜
日本では開発とは何かを考えるようになり、
2015年6月には参議院政府開発助等に関する特別委員会において、開発協力大網の下での我が国政府開発援助等の在り方に関する決議を採択し、開発とは何かという問いが繰り返し問い直されることになりました。
世界経済の動向〜中国経済を中心に考えて〜
中国の巨大な市場と金融当局の金融政策により、中国の金融当局の保有する外貨は増加して、2013年に中国外貨管理局の外貨準備を原資とした国策的な投資を行う中国投資有限公司(CIC)は、純資産6527億ドル、投資収益925億ドルを有する巨大なソブリン・ウェルス・ファンドとなりました。
また、2015年6月に創立メンバーとして北京に集まった57国のほとんどの国が設立協定に調印することで、2016年1月に中国が重要事案について事実上の拒否権を有するアジアの国際開発銀行が開業しました。
その国際開発銀行の第一号案件はバングラデシュの水力発電所の建設です。
このような海外投資は、国際開発援助レジームと呼ばれる開発援助に関する体制に影響を及ぼすと言われています。
次章で国際開発援助レジームについて、詳しく説明します。
国際開発援助レジームとは?
レジームとは、「ある問題領域における秩序および規範やルールの体型」と参考書籍では定義されています。
国際開発援助レジームは1980年代以降急速に共通ルールや目標設定が進んでいきました。
ここで、国際開発援助レジームにはグラント(科学研究などを支援する目的で個人・ グループ・組織などに対して政府機関や民間の財団から交付される一定の補助金・寄付金)による無償の援助と、ODA(政府開発援助) のカテゴリーに含まれる譲許的な融資(金利が低く返済期間が長く援助的色彩の強いもの)があります。
結論
SDGs達成のためには、SDGsに関わる国の情勢、資金の流れをみて活動することが重要だと思います。
戦後から開発に関して注目が集まるようになり、世界情勢に国際開発援助レジームが密接に絡んでいます。
SDGsは世界的な取り組みのため、資金援助は今後もSDGs達成に向けて無視できないものとなっていくと考えられます。