赤いロードスターは宇宙を永遠に走る
こんにちは。山本睦月です。
前回に引き続き宇宙のお話第3弾です。
2018年は15年ぶりに火星が地球に大接近する年です。
7月31日には5759万kmまで接近し、光速ならわずか3分ほどの距離なのでかなり近いですね。
ちょうど夏休みの時期なので、自由研究にちょうどいいです。
今回は太陽系のなかで最もニュースになっているであろうホットな惑星「火星」について書いていきます。
■住みやすい星?火星大接近!
さて、まずは火星についての基本情報から
冒頭でホットな惑星と書きましたが、火星の平均気温はおよそ-50℃で少々寒いです。
赤道付近では20℃近くにまでなるので住むとしたらそのあたりが人気が出そうですね。
寒いところになると-150℃ほどになるので、生活をするにはかなり過酷な環境です。
地表は酸化した鉄が含まれる岩石などがあり、宇宙から見るときれいな赤色に見えます。
ちなみに火星の空は赤色ではなく、実際は地球と同じ青い色をしているそうです。
火星の自転する時間は地球にとても近く、1日の長さは24時間39分35.244秒と地球と40分ほどしか変わりません。
地球からの距離は約8000万kmと比較的アクセスがしやすくなっており、音速で移動すれば10年ほどで到着します。
地球の環境になれていると衝撃的な数値も見られますが、太陽系の惑星で比較的近い距離にある星のなかでは非常に好条件と言え、地球からの移住計画が考えられています。
火星への移住計画で有名な世界的な企業と言えば、イーロン・マスク率いる「SpaceX」社でしょう。
そのSpaceX社が2月6日(日本時間7日早朝)、現在世界最大のパワーを誇るロケット「Falcon Heavy(ファルコンヘビー)」の打ち上げに成功しました。
■まるでSFの世界「宇宙を走る赤いロードスター」
Falcon Heavyは3基のブースターを使って地球の重力圏を脱出する推力を得ていますが、1基のブースターには9基の小型エンジンを搭載しています。
つまり、計27基のエンジンを正しくコントロールして打ち上げに成功したわけで、9基のエンジンを搭載した同社の「Falcon9」から大きく進化しています。過去の歴史をさかのぼってみてもFalcon Heavy以外に10基以上のエンジンを搭載したロケットの打ち上げに成功したことはありません。
そして、話題を集めているのはFalcon Heavyに搭載されたTesla(テスラ)の「ロードスター」からのライブ映像です。
こちらはCGでもアニメでもない現実のライブ映像です!
イーロン・マスク氏は以前から「Falcon Heavyには自分の赤いロードスターを載せる」と宣言しており、今回見事有言実行した結果となりました。
ゆっくりと宇宙空間を漂いながら、車のフロントガラスから青い地球が見える映像は非常にロマンを感じます。
ちなみに車のダッシュボードには「Don’t panic!(パニクるな!」と表示されており、これはマスク氏が10代の時に読んでから大ファンというSF小説の金字塔「銀河ヒッチハイク・ガイド」へのオマージュだそうです。
こういった遊び心やスケールのデカさは日本も見習いたいものです。
今回使用したブースター3基の内2基は回収に成功しており、打ち上げおよび回収はほぼ成功といっていいのではないでしょうか。
イーロン・マスク氏は以前から火星への移住計画を現実のプランとして話していますが、今回の打ち上げ成功でその計画も大きく前進したでしょう。
いかがだったでしょうか?
一昔前ならSFの世界のお話だったものも今は着々と現実のものとなっています。
ロマンあふれるお話にわくわくしながら、最新の情報に注目していきます。
また、未来技術推進協会では4月29日に宇宙科学に関するシンポジウムを企画しています。
宇宙科学の第一人者である菊池秀明氏をお招きし、近年の宇宙ビジネス事情や今後の展望に関してディスカッションしていきます。
この機会に、普段あまり接点のない宇宙のお話に触れてみるのはいかがでしょうか?
未来技術シンポジウム × Kanatta(2018/4/29)