『阪大 八木副学長が語るロボットの目の最新事情』第5回講演会
【開催報告】未来技術推進協会主催『阪大 八木副学長が語るロボットの目の最新事情』第5回講演会
日本の先進技術を世に浸透し、技術革新に貢献する活動をすすめる未来技術推進協会(本社:東京都港区、代表:草場秀一)は、2018年3月6日(火)に第5回講演会「大阪大学 八木副学長が語るロボットの目の最新事情」を開催しました。講演では、歩行映像を活用した個人識別の研究成果を中心にご紹介頂き、私達の身近なところで八木教授の研究成果が活用される世界がすぐ目の前まで来ていることを感じられる時間になりました。
2018年3月6日(火)19時より、未来技術推進協会の5回目となる講演会を開催しました。
今回お招きした大阪大学 八木康史教授は、コンピュータビジョンに関する研究の第一人者で、全方位ビジョンや歩容認証など数々の研究成果を残されています。とくに歩容認証技術の研究成果は、2009年に日本の警察で史上初の科学捜査に利用され、2017年には裁判における状況証拠として裁判所にも認められています。
ご講演では、コンピュータビジョンに関する研究領域や研究事例、最新の研究動向について、メインテーマである歩行映像を活用した個人識別(歩容認証)を中心にご紹介いただきました。
とくに、2009年に日本の警察で史上初の科学捜査にも利用された歩容認証の研究事例は、歩行映像から犯人を推測するまでの仕組みを動画も交えてご紹介いただき、参加者全員が発表に釘付けになる時間となりました。
実社会での活用に向けた最新の研究動向紹介では、体の一部しか映っていない歩行映像や低フレームレートの防犯カメラ映像から歩容認証を行う事例をご説明いただき、私たちの身近なところで八木教授の研究成果が活用される世界がすぐ目の前まで来ていることを感じられました。
また、個人的には、ご講演の中で八木教授が何度かおっしゃられていた
「…今の課題を何とかしたくなるのが研究者」
という言葉の中に、コンピュータビジョン研究の第一線で数々の課題を解決され、世界初、日本初の成果を生み出してこられたモチベーションの一端を垣間見たような気がしました。
私たち未来技術推進協会も、日本の未来を担う研究を世に発信することで、大学や企業などの課題解決や技術革新への貢献を目指しています。今後も、講演会やアイデアソンといったイベントを開催し、大学や企業の架け橋となっていきます。
【開催概要】
日時:3月6日(火) 19:00~20:30
場所:学校法人電子学園 日本電子専門学校 9号館地下1階 メディアホール
講師:大阪大学 八木康史教授
会費:社会人 3,000円 学生 1,000円
【講師 八木康史氏について】
1983年大阪大学基礎工学部制御工学科を卒業し、1985年同大学院修士課程修了。
同年三菱電機株式会社の研究員を務め、1990年大阪大学基礎工学部助手、1991年大阪大学工学博士。1993年には大阪大学講師、助教授を経て、2003年大阪大学産業科学研究所教授。情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会(CVIM)幹事・CVIM論文誌編集委員長・ 英文論文誌 CVA副編集委員長、ACCV(2007プログラム委員長、2009実行委員長)等を歴任.電子情報通信学会論文賞、MIRU長尾賞等様々な賞を受賞している。
1980年代からコンピュータビジョン分野での研究に取り組み、特に、世界に先駆け、反射屈折光学系による全方位カメラを開発し、ロボット視覚などへの応用により全方位視覚情報処理の研究領域を切り拓いた。さらに、リアルな物体表現を可能にするために、現在世界的に注目されている反射特性の計測・解析技術にもいち早く取り組み、高い評価を得ている。最近では、人の歩く姿から個人を識別する歩容認証技術に関して、世界最大規模の歩容データベースを構築するとともに、世界最高水準の歩容認証技術を確立している。世界的にも注目されている研究者の一人である。