エレベーターが開くとそこは宇宙でした

宇宙

エレベーターが開くとそこは宇宙でした

こんにちは。山本睦月です。
今回も前回に引き続きロマンあふれる宇宙に関するお話です。
※前回の記事:
旅行先の候補に宇宙はいかがでしょう?


■「宇宙エレベーター」で誰でも宇宙へ

皆さんは宇宙エレベーターをご存知でしょうか?(日本では「軌道エレベーター」と呼ばれることもあります)
簡単に言うと、静止衛星と地球をケーブルでつないで、人や物を運べるエレベーターを作ろうというものです。
エレベーターなので、老若男女だれでも宇宙へ行くことができますし、ロケットのように1回の打ち上げで数十億のコストがかかることもないでしょう。

宇宙エレベーターの構想は昔からありましたが、技術上の課題で特に宇宙から地上へ吊り下げる強度を持つケーブル素材が問題でした。

しかし1991年、この条件に応えられる素材「カーボンナノチューブ」が日本で発見されました。
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube)は、「カーボン=炭素」「ナノ=ナノメートル(nm)」「チューブ=円筒」の3つの言葉を合わせたもので、炭素原子が網目のように結びついて筒状になった物です。
この素材の発見により宇宙エレベーターの開発が俄然現実味を帯び、実現する上で「解決不能な課題はない」とまで言われています。

■人工衛星と地球を繋ぐ

人工衛星は地球の周りを回ることによって遠心力を得ています。
軌道上に上がって、そのまま落ちてこないのはこの遠心力と地球の重力がつりあっているからです。
ぷかぷか浮かぶ衛星は地球が回転する速度と同じスピードで地球の周りを回っており、地上から見るといつも同じ位置で止まっているように見えます。(そのため静止衛星と呼ばれます)
宇宙エレベーターでは、この衛星からテザーと呼ばれるケーブルを伸ばし地球とつなげます。
しかし、そのまま地球にテザーを伸ばすとその重さで全体の重心が地球側に寄ってきてしまうため衛星が墜落してしまいます。
それを防ぐため地球とは反対方向にもテザーを伸ばしバランスをとります。
重心のバランスをうまくとりながらテザーを伸ばすといつか地球に届くというわけです。

■強度の課題

宇宙エレベーターを作る上で一番の課題と言われていたのはテザーの強度でしたが、カーボンナノチューブの発見によりこれは解決の方向に進んでいます。
理論上は建設に必要な軽さと強さをもっているとのことで、(鋼鉄の180倍ほどの引っ張り強さ)他の宇宙ならではの課題、太陽からの電磁波や放射線、熱による影響や隕石の存在などをクリアーすればいよいよ宇宙エレベーターの実現が見えてくるそうです。

■宇宙エレベーターのコスト

現在のロケットはその重量のほとんどが燃料で、物を運ぼうとするとそのコストは非常に高くなってしまい燃費が悪いです。
前回紹介したH2Aロケットの輸送コストは貨物1キロあたり105万円だと言われています。

では、宇宙エレベーターではどのくらいになるのでしょう?
まだ現実に出来ていないので予想ベースにはなります、一説によると最初の宇宙エレベーターの建設に必要なコストは1兆円と言われています。
今考えられている宇宙エレベーターではモーターを利用し上昇することになっているので、ロケット燃料などのコストが削減でき20トンほどの貨物を頻繁に運ぶことが可能になります。
年間50回ほどの運搬が可能と想定すると1キロあたり10万円で運ぶことができます。
単純に考えると人間1人を運ぶなら700~800万あれば宇宙に行けることになりますね。

また、最初の宇宙エレベーターを利用して2基目を作るとコストを40%ほど削減できるといわれています。
もちろんどこかで頭打ちになるかとは思いますが、新幹線と同じような金額で宇宙に行ける日もそう遠くないのかもしれません。

日本の企業「株式会社大林組」は「2050年エレベーターで宇宙へ」と題して、2050年の完成を想定して構想をまとめプロジェクトを走らせています。
自分もこの時にはまだ生きている予定なので、宇宙に行くことがかなり現実的なものに感じています。
世界に先駆けて日本の企業が宇宙エレベーターのパイオニアとなることを期待しましょう。


参考サイト