【開催報告】未来技術推進協会主催 第8回講演会 慶應義塾大学山口教授の示す『最新AI(人工知能)と未来社会への影響』

【開催報告】未来技術推進協会主催 第8回講演会
慶應義塾大学山口教授の示す『最新AI(人工知能)と未来社会への影響』にて、100名の参加者がAIとの付き合い方を学ぶ


2018年5月21日(月)に未来技術推進協会主催の第8回講演会が開催されました。今回ご講演頂いたのは、40年にわたりAIやロボットについて第一線で研究を続けておられる、慶應義塾大学の山口高平教授です。様々な分野での応用が期待されるAIやロボットの未来の社会での在り方をお話頂き、100名の参加者にとって、今後のAIとの付き合い方を考える学びの深い時間となりました。



2018年5月21日(月)に、未来技術推進協会が主催する第8回講演会を開催しました。今回は、慶應義塾大学理工学部の山口高平教授より、40年にわたるAIの研究を通して得た知見に基づくお話をご講演いただき、参加者100名が大盛況の中、幕を閉じました。
山口教授は、2004年に慶應義塾大学に迎えられて以来、”知能ロボット”の研究やAI”統合知能”のソフトウェアプラットフォームの開発に取り組んでまいりました。様々な場所でAIのご講演をされており、その中で、「AIは私達の仕事を奪うのではないか」という声も講演の参加者から上がることが多いそうです。そんなとき、「AIには誤解が多い」、「人とAIが共存するコツは業務を細分化させ、人がやるべきところとAIがやるべきところを組み合わせて対応させるべき」というのが、山口教授のお言葉です。
実際にAlphaGo(アルファ碁)や医療における画像診断など、特定のタスクでAIが人を超える部分が出てきているのは事実です。しかし、山口教授は、ご講演の中で、人ができるところとAI、ロボットができるところを明確にして組み合わせることで両者がうまく共存していく事ができると話しておりました。さらに、AIやロボットとの共存によって、人とのあり方、関係性が進化するきっかけになるかもしれないと仰っていました。
また、山口教授は小学校で講演をされることも多く、小学生には未来社会に向けてコミュニケーション能力を身につけるような勉強をしたほうが良いとアドバイスもしています。
講演会では「AIが人をモチベートできるようになるか?」という質問が挙がりました。それに対する山口教授の答えは「人への会話の受け答えに対して、人のほうが進化する可能性がある」との事です。この事からも、1人1人の解釈次第で人とAIは共存していける可能性があることがわかるでしょう。
「AIは便利だから、そのうち自分の仕事がなくなるかもしれないと思っていたが、見方が変わった」と多くの参加者が感想を話していました。AIに私達の仕事が奪われてしまうのではと思うのではなく、どうやって共存できるかを考えるべきであると気づく時間となりました。
私たち未来技術推進協会は、今回のような講演会を始めとした様々な取り組みを通じ、大学や企業の架け橋となり日本の技術革新に貢献していきます。

【開催概要】
日時:5月21日(月) 19:00~21:30
会場:FinGATE KAYABA
東京都中央区日本橋茅場町1-8-1
茅場一丁目平和ビル1階
講師:慶應義塾大学理工学部 山口高平教授
参加費:一般 3000円 学生 1000円
※有料会員は参加費無料

【講師 山口高平教授の経歴】
<経歴>
-1979年3月 大阪大学工学部 通信工学科卒業
-1984年3月 大阪大学大学院工学研究科 通信工学専攻 後期博士課程修了
-1984年4月 大阪大学産業科学研究所 電子機器部門 助手
-1989年4月 静岡大学工学部 情報知識工学科 助教授
-1996年3月 南カリフォルニア大学 情報科学研究所 客員研究員
-1997年4月 静岡大学情報学部 情報科学科 教授
-2004年4月 慶應義塾大学理工学部 管理工学科 教授
-2012年6月 一般社団法人 人工知能学会会長(~14年)
<主な著書、共著>
『データマイニングの基礎』(オーム社/共著) :2007年の大川出版賞を受賞
『法律人工知能 法的知識の解明と法的推論の実現』(創成社/共著)。:Practical Aspects of Knowledge Management』(Springer/編著)。