思い切ってニューラルネットワークを勉強してみよう(4)

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思い切ってニューラルネットワークを勉強してみよう(4)

こんにちは。山本睦月です。

前回に引き続き、思い切ってニューラルネットワークを勉強してみようパート4です。
ニューラルネットワークに関する歴史の続きや今後の展望を見ていきましょう。
続きからの内容となりますので、パート1~3をご覧になってから本記事に進むのをオススメします。
※前回の記事はこちら
思い切ってニューラルネットワークを勉強してみよう(1)
思い切ってニューラルネットワークを勉強してみよう(2)
思い切ってニューラルネットワークを勉強してみよう(3)


前回のおさらい

バックプロパゲーションアルゴリズムの発見で再度注目を集めた人工知能。しかし発案された1980年代では必要なデータや処理するためのマシンが揃わず、またしても人工知能は冬の時代に突入しました。

大量のデータとハイスペックマシンで加速するディープラーニングの進化

1980年代に考案された多層パーセプトロンモデルは、理論はあるもののコンピュータの処理速度が足りなかったり、必要なデータが揃わなかったこともあり研究が停滞していました。

最低限必要なマシンとデータが揃いはじめた2000年代に入り、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授率いる研究チームの活躍により人工知能は再度世界から注目を集めることになります。
ディープラーニングという言葉が出てきたのもこの頃で、2006年にヒントン教授が発表した論文で、層が深いニューラルネットワークを総称して『ディープラーニング』と呼んだのが始まりと言われています。

2012年。ディープラーニングの性能が世間を驚かせます。
ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC)という画像認識コンテストでヒントン教授率いるチーム『SuperVision』が2位以下を大きく引き離し優勝しました。

1年前の同大会優勝チームのエラー率が25.7%だったのに対して、SuperVisionはエラー率15.3%と驚きの記録をたたき出しました。

また、同じく2012年にGoogleの研究チームが、YouTubeから抽出した猫の画像を使用し、猫を識別できるニューラルネットワークモデルを発表しました。

YouTubeの動画からランダムに集めた1000万枚の猫画像を丸3日間かけて学習させ、猫と他のものを識別することができるモデルを作り上げました。

本来データを学習モデルに使える状態にするためには、データの欠損部分を補ったり構造を整えたりする前処理が必要です。認識の精度を高めるためどんな特徴に注目するべきか、データを加工することで画像認識の精度を高めることが出来ます。

ヒントン教授のチーム『SuperVision』は、画像認識のプロセスにおいて簡単な前処理を行ったのみで、エラー率を大幅に下げながらこれまで人間が行っていた特徴抽出も全てディープラーニングに任せる手法を取りました。

2つの例では元の画像に人がほとんど手を加えることもなく、優秀な結果を出してしまったのです。
記録の大幅な更新に加え、これまでの常識を大きく覆す手法に研究者たちは大変驚きました。

ディープラーニングの可能性

これまで画像認識に関する話を中心に進めてきましたが、ディープラーニングが出来ることは他にもあります。

たとえば、iPhoneに内蔵されている『Siri』のように人間の声を認識してテキストデータに変換する『音声認識』や、日常会話や書き言葉を理解・処理させる『自然言語処理』等があります。

これらの長所を活かし、データ分析はもちろん医療や金融、流通の業界などディープラーニングは既に様々なところで活躍しています。

『株式会社富士キメラ総研』の資料によると、2016年のAIビジネスの国内市場は2704億円、そこから2021年には1兆円を超えることが予想されています。

出典:働き方改革AIの活用が各業種から注目される国内のAI(人工知能)ビジネス市場をソリューション別・業種別に調査』

また、近年ニューラルネットを超えるかもしれないと期待されている技術に『カプセルネットワーク』というものがあります。
この研究が進めば更に社会に貢献する幅が広がり、市場規模も拡大するかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか?
数回にわたりニューラルネットワークについて紹介していきましたが、私自身も知識が整理でき非常に勉強になりました。

また、これまで紹介してきたのは表面的な内容のみですが、その先には計算に使われる数式の数々や理論など更なるディープな世界が広がっています。

私たち未来技術推進協会は、人工知能などの先端技術の講座やそれを生かして社会をより良くするアイデアを考えるアイデアソンやそれらを具体的に形にするハッカソンを主催しています。
興味のある方はぜひ一度ご参加頂ければと思います。

参考