自動運転社会の実現に向けた開発動向と戦略 Vol.3

SDGs

自動運転社会の実現に向けた開発動向と戦略 Vol.3

こんにちは、Vona(ボーナ)です。
これまで2回にわたって自動運転の概要、開発ロードマップ、実現に必要な最新技術について紹介しました。内容については掲載の記事を参照ください(Vol.1Vol.2)。

それではその自動運転が実用化された世界はどのように変わっていくのか?
自動運転の実現によってもたらされる新しい便利なサービス、また2015年に国連によって採択されたSDGs(持続可能な開発目標)で掲げられている社会課題の解決策としてどう期待されているのか、企業の取組み事例とあわせて紹介していきます。


SDGsで掲げる社会課題解決への期待

前々回(Vol.1)でも触れましたが、内閣府が発行している開発ロードマップでは2020年以降から部分的に自動運転化されるLv2以上、2025年を目途にLv4の完全自動運転車の投入が計画されています。自動運転の実現によって得られる効果として、以下の5つが挙げられます。

  1. 渋滞の解消・緩和
  2. 交通事故の削減
  3. 高齢者、障害者などの移動支援
  4. 環境負荷の低減
  5. 物流の迅速化、人材不足改善、コスト削減

これらの社会課題の背景として、全国で高齢ドライバーによる交通事故が多発していることが挙げられます。地域によっては、高齢者が自動車の運転を控えようと思っても、代替となる公共交通手段がなく運転せざるを得ない実態があります。このような背景から、自動運転の実現により交通事故の抑制や、自動運転バス等の導入による交通が不便な地域解消など複数の社会課題が解決されると期待されています。

SDGsの17の目標に照らし合わせると、目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、目標8(働きがいも経済成長も)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標11(住み続けられるまちづくりを)、目標13(気候変動に具体的な対策を)に貢献できるのではないでしょうか。

次に、上記の社会課題を具体的に解決する新しいサービスについて、企業の取り組みと合わせて紹介します。

自動運転による新しいビジネス創出の取り組み

前節で述べた社会課題の解決に向けて多くの企業が自動運転市場に参入を試みています。いままで、クルマはただの「移動手段」でしかありませんでしたが、自動運転の実現によって「サービスプラットフォーム」として捉えることができるようになります。

クルマのサービスプラットフォーム化が進めば、MaaS(マース:Mobility as a Service)と呼ばれるクルマを所有せず、使いたいときだけ料金を払って利用できるサービスが増えてくると予想されます。

以下に、自動運転の実現によって普及が期待されるMaaSの取り組み事例を紹介します。

株式会社DeNAの取り組み CtoCカーシェアサービス「Anyca(エニカ)」

「Anyca」は個人が所有するクルマを、仲介業者を通すことなく貸し借りができるCtoCカーシェアリングサービスで、2015年にDeNAがサービスを開始しました。

現行は、オーナーがクルマをサービスに登録し、料金や受取場所などの詳細条件を設定します。それを借り手がカレンダーから予約し、オーナーと時間帯やカギの受け渡しなどを交渉しクルマを利用することができます。

このような個人のカーシェアリングは、自動運転が実現することで受取り場所の制限もなく、より簡単に、より便利に利用できるようになるため急激な普及が期待されます。

「Anyca」の使い方動画:

ヤマト運輸の取り組み 宅配サービス「ロボネコヤマト」

「ロボネコヤマト」は自動運転車を活用した自動配送サービスです。現在は神奈川県藤沢市で、自動運転技術の開発を手掛けるDeNAと共同で検証を進めており、「ロボネコデリバリー」と「ロボネコストア」の2種類のサービスについて実用実験を実施しています。

「ロボネコデリバリー」は、車内に保管ボックスを設置した専用のEV車両を使用し、AIによる配送ルートの最適化を行うことで、お届け時間帯を10分刻みで指定でき、受取り場所も自宅や最寄りの駅、会社など指定できます。

「ロボネコストア」は、買い物代行サービスで地元商店の商品を事前にまとめてインターネットで購入し、運んでもらうことができるサービスです。
近年のネットショッピングの普及による宅配ドライバー不足などに大きく貢献できると期待されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
全3回にわたって、自動運転社会の実現に向けた開発動向、ロードマップ、必要な技術、そして自動運転がもたらす社会変化について紹介してきました。
自動運転の実現には、技術、社会インフラ、法整備と各方面からのアプローチが不可欠となります。

私も普段の仕事で自動運転に関する市場調査を行っていますが、本格的に導入されるのは2025年以降といわれており、2030年には広く世の中に実装されていると予想されます。世の中では2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れると予測され、大きく世界が変革すると言われています。

そのキーテクノロジーの一つとして、自動運転も注目されており、指数関数的に進化するという意味で「エクスポネンシャルテクノロジー」と呼ばれています。自動運転が実現し大きく変化した世界が楽しみですね。

未来技術推進協会でも、自動運転技術の社会実装に向けて産官学民連携を加速できるよう、アイデアソン、ハッカソン、講演会などのイベント企画を通して貢献していきます。

以上、Vonaでした。

参考